前の会社の元同僚から「社内プレゼンがあまり上手くいかない」と、今でも相談されることがあります。
プレゼンがうまくいかない人のデータを見せてもらうと、ある共通点があります。
それは、聴講者全員が一定以上の知識があることを前提として資料が作られていることです。
特に、自社製品や自社サービス、自社内容のプレゼンを社内ですると、「自社のことなので全員に知識があるだろう」と考えがちです。
同じように、所属部署によっても全員の知識レベルがバラバラなのに、いきなり専門用語満載でプレゼンする人がいます。
その考えがプレゼンがうまくいかない最大の原因です。
驚くことに自社の知識や所属部署での専門的な知識がある人は少ないのです。知識がない人に合わせて資料を作らなければ、ずっとプレゼンは上手くいかないままになります。
この「知識がない人に合わせる」という考え方は、プレゼンだけではありません。
- ブログ記事:専門用語を使わず、誰にでもわかる言葉で書く
- 商品説明:業界の常識を知らない人に向けて説明する
- セミナー:初心者でも理解できる内容から始める
- 提案書:クライアントが専門家でなくても理解できる資料を作る
すべてのコミュニケーションにおいて、「相手は知らない」と考えることが、伝わる第一歩です。
私は以前の会社でデジタルマーケティングを担当していました。
デジタルマーケティングのチーム全体にデジタルマーケティングのプレゼンをしても、そもそも誰もデジタルマーケティングのことをわかっていませんでした。
人は「知らない」と素直に言えない生き物です。
知らないと言えないから、知ったかぶりをします。知識があると思わせていますが、実は全然ありません。
まずは、プレゼンの聞き手全員に「知識がない」と考えましょう。
その上で、知識がない人に理解してもらうには、どうすれば良いのかを考えます。
私が実践していた方法
私が社内プレゼンをする場合、以下の流れで進めていました。
- 最初に大まかな流れを説明する
- 「Break」ページで専門用語や難しい概念を解説する
- 専門的な話をする
私が社内プレゼンをする場合、最初に大まかな流れを説明します。
次に、「Break」ページを作り専門的な用語の説明をしていました。
専門的な話の前に、専門用語やわかりにくい内容を「Break」ページでわかりやすく解説し、全員の知識レベルを合わせていたのです。
私が作った「Break」ページの一例です。

「Break」ページを全員が理解した後で、専門的な話をします。
そうすると、プレゼンが終わった後に「すべて理解できた!」「とってもわかりやすくて、今後チームが何をすべきかがわかった!」と絶賛されました。
実はわかったフリをして聞いていますが、専門用語を知らない人が多いのです。
内容が少しでもわかりにくい箇所があれば、人は理解しようとせず、わからないままにしがちです。
わからない箇所をそのままにしておくと、いつまで経っても誰からも理解されません。
「この部分はきっとわかってないだろうな」とあなたが思うところは、徹底的にわかりやすく説明してあげます。
誰にでも理解できるように説明してから、専門的な話をすると相手の知識が一気に広がります。
誰でも理解できる状態でプレゼンを進めると上手くいき、大絶賛され「あの人はプレゼンが上手くて仕事ができる!」と言われます。
社内のプレゼンばかりしている人は「社内の人だからわかるだろう」という甘えた理由で、わかりやすい説明をしません。それが原因で失敗しています。
「何も知らない人」にプレゼンすると思って、資料を作り、プレゼンしてください。きっと上手くいきますよ。

