前々から私が「好き!」と公言している奥田さんの新刊が出たので、読んでみた。
「等身大の定年後 お金・働き方・生きがい」奥田祥子 (著)
他の奥田さんの書籍と同じで、20年ほど同じ人物に継続インタビューを行い、それぞれの人が定年後、どのように過ごしているのかを書いている。
この内容は、マジに身につまされる。
私よりも少しだけ上の世代が、現役時代を経て、定年するまでの道のりを書いているんだけど、現実的過ぎて、この本を読んで凹む人も多いんじゃないかと思う。
まさにバブル世代の人が、定年を迎えつつある今、大企業で出世したり、中小でもある程度のポジションにいた人たちが、「社外での等身大の自分」を受け入れられるかどうかで、定年後の生き方が決まってくる。
私の世代は、バブルが弾けて、超氷河期の第一世代なので、失われた30年を先頭切って生きてきた世代だ。
だから、就職でも正社員で雇ってくれるところもなく、かなり苦労しているので、そこまでプライドが高い人はいない(実際にはいるんだけど)けど、バブル全盛期の人はマジで厄介で、プライドの高い人が多い。
それも自分の実力以上の会社に入れた人が多いため、「会社の実力=自分の実力」と勘違いしている人がバカほどいる。
奥田さんの書籍の中で紹介されている人物たちも、定年後に他の企業に就職できたり、フリーランスになってうまくいっている人には特徴がある。
定年前に一度大きな挫折を味合い、その後プライドを捨て、学び直し(リスキリング)をしたり、今の本当の自分の実力と向き合い、自分に足りないものを補ったりしている人だ。
会社勤めが長くなると、会社の名前があるから仕事ができていることを忘れてしまう。
会社がなくなれば、スキルも人脈もないただの「何にもない人」なのに、それを自覚していない人がめちゃくちゃ多い。
こういう自分の何もなさを自覚していない人が、起業して大金を失ったり、再就職先が見つからずに、家で引きこもり生活を送る羽目になる。
私も会社を辞め、フリーランスになってから、会社のありがたみを知った一人でもあるので、本当に他人事ではない。
改めて、学び続けることの大切さを思い知らされた一冊だ。
「定年前に起業しようかな〜」なんて、気軽に考えている人は、まずこの本を読んだ上で、じっくりと考え抜いてから起業して欲しい。
何事もそんなにうまくはいかないのですよ。