ブランディングの記事を書いていて、前職時代のある出来事を思い出した。
私が必死で考えて作ったロゴが、数年後「謎のロゴ」として社内で語り継がれていたという、笑えない話を余談としてアキラブログで書いてみる。
前職では、外資系の医療機器メーカーのインハウスデザイナーとして16年勤務していた。
私が入社した日と同じ日に、本部異動となり、製品担当者になった男性とは6年ほど二人三脚で仕事をしたので、結構な無茶振りをされていた。
その男性が出世し、事業部をまとめることになった際、会議室に呼び出されて、「今後はこういう方向で事業を牽引していきたい」と、膨大な資料を見せられながら事細かく1時間半かけて説明された。
コンセプトを伝えられ、「ぜひロゴを作ってほしい!」と熱くお願いされたので、その男性のコンセプトとその男性の人となりを考えて、何案かロゴを作った。
それからしばらくして「あのロゴを使いたいので、データ送って」とメールが届いたので、「やっと日の目を見る時がきたな」と思い、ロゴをメールで送った。
その後、ロゴを使ったのか、使っていないのか全然わからずじまいで、「あれって結局はどうなったんだろう?」とずっと気になっていた。
数年が経った時に、この話を違う男性に何気に話したら「そのロゴ見たことあるよ!」と教えてくれた。
どうやら、事業部でもハイクラスの役職の人ばかりを集めた会議で、その男性がプレゼンをしたらしいのだけど、そのプレゼン資料の右上に私の作ったロゴが貼り付けたれていたらしい。
ロゴは見たものの、何のロゴが貼り付いているのか、ロゴの意味は何なのかがわからないから、会議が終わった後で「あのロゴは一体何だ?」という話になったみたい。
で、結局本人には誰も聞けなかったので、ずっと「謎のロゴ」として頭に残っていたそう。
私がロゴを作った経緯を説明すると「何だ!そんな意味があったんだ!本人が何も説明しないで、ロゴだけ貼り付いていたから、一体何だと不思議だったんだよ。やっと謎が解けたわ!」と爆笑しながら言われた。
すごい良いコンセプトを作っても、壮大な戦略を考えても、それを誰にも伝えていないなら、ロゴだけ見せても伝わる訳がないんだよ。
「バカじゃないのか。私がロゴを必死に考えて作った時間は何だったんだ。」とマジで思った。
結局、その男性の壮大な事業の方向性は誰にも伝わらないまま今に至っている。
本当に誰にも話をしない人で、唯一私ぐらいにしか本音を言ってなかったんじゃないかと今でも思う。
「事業部長なのに、あの人の考えていることが全然わからない。今後の会社の方向性とかもうちょっと説明してくれてもいいのに。」と、何人にも言われたので、マジで事業部長に向いてないなと思った。
人にはテレパシー能力はないので、人に何かを伝える際は、言語化して口頭で伝えるか書面で伝えるかしないとダメなんだよ。
伝えたいことがあるなら、人にちゃんと伝えないと伝わりませんよ。
この経験から学んだのは、どれだけ良いものを作っても、言語化して伝えなければ意味がないということ。
男性でも女性でも、言葉足らずが原因で喧嘩したり、すれ違ったり、誤解されたりすることがあるので、伝えたいことがあるなら、ちゃんと言葉で伝えましょうね。
それだけで「バカじゃないのか」と人から思われにくくなりますよ。
