誰に話しても共感してもらえない私の話

最終更新日:

私には誰に話しても共感してもらえない話がある。

今から30年前に接客販売のバイトを始めたのだが、「接客販売が天職!」と言われるほど、どの店に入っても商品を売って売上を上げていた。

なぜそんなに売ることができたのかには、私なりの理由がある。

「人の財布からお金が減るのが快感だったから。」が私の理由。

この話をすると「全然意味がわからない。」と人から言われる。今の私も昔の私の気持ちがよくわからない。完全に頭がイカれてたんだなと思う。

当時はクレジットで払う人が少なく、ほとんどが現金払いだったため、お客様は財布からお金を出して支払ってくれる。

他人の財布からお金が出ていく瞬間が私にとって至福の時で「あー、今日も人の財布からお金を減らすことができたー!」と、喜びを噛み締めていた。

そのため、商品が売れれば人の財布からお金が減るので、それが嬉しくてたまらない。ほとんどゲーム感覚で接客販売をしていたので、楽しくて仕方がなかった。

バイトしているというよりも「人の財布からお金を減らすゲームをしている感覚」のほうが近い。

しかし、私も鬼畜ではない。お客様に無理矢理に商品を売りつけていた訳ではないのだ。

私は大学の4年の間にいろんな店で販売経験を積み「私なりの売り方」を持っていた。

それは、お客様が本当に欲しいものを見抜き、お客様が本当に欲しいものを買わせるのが上手かったのだ。

お客様を観察していると何が欲しいのかがよくわかる。

そのため、お客様にすぐには声をかけず「じっと」観察するところから入る。観察し続け、タイミングを見計らって接客に入る。

自分の話は一切せずにお客様の話をよく聞き、お客様が本当に欲しいものを買わせてあげるのだ。

それらはすべて「人の財布からお金を減らすため」にやっていた。

どうだ!共感できないだろう!

時代の流れに逆らって、あえて共感できない話を書いてみました。

別に私の財布にお金が増える訳でもなく、バイト代が増える訳でもない。ただただ人の財布からお金が減ることが楽しかっただけ。そんなイカれた大学生でした。

ということで、接客販売の時に培った「お客様の話をよく聞く技術」はデザイナーになっても、コンサルタントになっても活かされている。

動機は不純でも、人の話を聞いて、何が欲しいのかを見抜く技術は身に付いた。

今も接客販売の仕事が好き。ただ、今は人の財布からお金が減ってもまったく嬉しくない。当時の私に今の私も共感できない。

「なんであんなに人の財布からお金を減らすことが嬉しかったのかな」と、今も時々考える。

単に「自分にお金がなかったから、お金を持っている人に嫉妬していただけ。」だと思う。かなり危ない思考の人でした。まともになれて良かったです。