「今だけこの価格!」と、お得さを強調してもあなたの商品が誰にも買ってもらえない理由

お客様のメニューページを見ていると「今だけこの価格!」「期間限定30%オフ!」と書いて、通常の価格よりも値段を安く見せている場合が多いです。

「値段を安く見せて、売れていますか?」と、聞くと「全然売れていません」という回答が返ってきます。

最初に提示された情報や数字を基準にして、物事を判断してしまうこと「アンカリング効果」と言います。

例えば、ブランド物のアウターの定価が10万円だとします。

「先着5名様に限り50%オフ!」と書けば、そのブランドが好きな人やそのブランドに価値を感じている人は、徹夜してでも先着5名に入ろうとするはずです。

実際、そのアウターに10万円の価値があるのかどうかは不明です。セールのために作った商品かもしれません。

ただ、先に「10万円」と提示した後で、「50%オフ」の情報が後から入っていくると「お得だ!」「安い!」と、人は思ってしまうため、買ってしまうのです。

多くの人がアンカリング効果を使っているにも関わらず、買ってもらえない理由は単純で、お客様があなたの商品自体に価値を感じていないからです。

占い師さんやカウンセラーさんなどは、1時間1万円でサービスを提供しようとしている人が多いですが、「どんなことをしてくれる人なのか」「サービスを受けた後、どんな効果があるのか」が、お客様からするとブログやSNSを見てもわかりません。

そもそもブログやSNSを見ても、あなたの商品に1万円の価値を感じられないのに、「今だけ70%オフの3,000円です!」と書いたところで、1万円の価値のないものに3,000円を払う人はいないのです。

以前から書いていますが、実績も経験もない人にお金を払う人はいません。

関連記事→ 実績や経験がない人の高額商品は誰にも買ってもらえない

アンカリング効果は、価値のある商品を販売している場合には有効ですが、価値のない商品を販売している場合には効果を発揮しません。

「期間限定70%オフ」と書いてもアンカリング効果がないことはわかっているので「期間限定は消して、正規料金の3,000円と書いてください」と、私はお客様に伝えています。

多くのお客様は行動経済学を使って、消費者を誘導しようとしていますが、自分が行動経済学を使っていることさえ気付いていません。

行動経済学とは心理学と経済学を合わせた学問で、マーケティングの世界ではめちゃくちゃ使われています。

ほとんどの人は「自分でこの商品を買うことを決めたんだ!」と思っていますが、それは勘違いで、色んな情報に誘導されて商品を選ばされているのです。

この勘違いを上手く活用すれば、商売が軌道に乗ることもあるので、ぜひ以下の書籍を読んで行動経済学を勉強してください。

勘違いが人を動かす 教養としての行動経済学入門
エヴァ・ファン・デン・ブルック(著), ティム・デン・ハイヤー(著), 児島 修(翻訳)

自分が如何に情報に踊らされているのかが良くわかるので、オススメです。行動経済学を知ることで、変なコンサルタントに騙されることも減りますよ。