先ほど読み終えた本がめちゃくちゃ面白かった。それがこの本。
「男が心配」奥田 祥子(著)
著者が20年にわたり男性に継続インタビューした内容をまとめた本。
著者が、かなりの人数の男性を長期間にわたってインタビューし続けているのもすごいけど、インタビューされている男性の話が面白すぎる。
面白いというと不謹慎なんだけど、女性からすれば「男ってホントに男らしさに縛られて生きてるんだな」というのが、よくわかる。
私も前々から男尊女卑が逆に男性を苦しめているんじゃないかと考えていた。
私は長年の間、ほとんど男性としか仕事をしたことがなかったので、「男らしくありたい男性」にかなり振り回されて仕事をしていた。
会社自体も男尊女卑が酷かったし、仕事でも「女性が男性のために働くのは当たり前」的な感じも何となく雰囲気としてあった。
この「男らしさ」っていうのは時に、男性を追い詰めてしまうこともあり、私は追い詰められつつある男性をかなり見てきた。
女性の大変さは女性になってみないとわからないのと同じで、男性の大変さも男性になってみないとわからない。
今までは「男らしく生きろ!」と言われていたのに、急に「男らしさは捨てろ!」と言われても、どう生きていいのかわからなくなっているのが、今を生きている男性なのかも。
本の中で、男性の介護問題(母親を男性が介護する)が出てくるんだけ、「男らしさ」に縛られて、逆に誰にも頼れずに、介護と仕事の両立でボロボロになっていく男性が多いことにも納得。
女性は「ケアする側」に立つことが多いから、国の介護制度を上手く利用する人が多い。でも、男性は「ケアされる側」に立っている人がほとんどなので、ケアすることに慣れていなくて、大変な目にあっている。
男女平等が叫ばれる中、本当の意味での「男女平等」はまだまだほど遠い。
本のタイトル通り、この本を読むと「男が心配」になるけど、男性が色んな問題につまずきながらも、それを乗り越えた先に自分で見つけた希望が女性にも希望を持たせてくれる内容かも。
著者の講演があれば、ぜひ行ってみたいと思う。